勉強中のBGM、悩みますよね。「好きな音楽を聴きながらやったほうが結果的に長い間勉強できる。」、「自然界の音をBGMにするのがいい。」、「日本語の歌詞はだめだけど、洋楽はセーフ。」
流派は色々あるけども、結局何がベストなんでしょうか?今日は勉強中のBGM問題に私がケリをつけます。
結論から言うと、成績を上げたいなら歌詞のないBGMを聴くのが良いでしょう。特にカフェミュージックはアツいです。そうはいってもあなたは「そうなんだ。ふ~ん。」と呟いてAppleMusicで米津玄師を流して英単語を覚えるのでしょう。なので理由をちゃんと説明します。
歌詞付きの音楽は脳のパフォーマンスが下がる?
勉強中の音楽の話でよく話題にあがってくるのが『歌詞の有り無し』問題です。では、歌詞付きの歌を聞いている時の脳はどのように働いているのでしょうか。
人間の脳は二つに分かれていて、右脳は芸術や感情といった抽象的な分野、左脳は論理的な思考や言語といった分野をつかさどっています。
なので、勉強をすると論理的な思考をするために左脳を使うことになり、歌を聞くと言語的な処理を行うために左脳を使うことになります。はい、見事にダブっていますね。つまり歌を聞きながら勉強するという状態は片手のみを使って二つの作業を行っている状態であり、当然効率が悪いということになります。
しかし、音楽を聴きながら勉強をしたことがある人はこうも思うでしょう。「音楽聞きながら普通に勉強できるけど?」
ここが音楽を聴きながら勉強の落とし穴なのです。多くの人が音楽を聞きながら勉強してしまう理由、それはなんだかんだ勉強ができてしまうというところにあります。
とある研究では、作業中のBGMを無音、歌詞がない音楽、歌詞がある音楽の3パターンに分け、被験者に文章題を解かせたところ、BGMの違いによる作業量の差は認められなかったとのことです。この結果を見ると音楽を聞いても勉強に問題はないように思います。
ですが、文章題の誤答率を比べてみたところ、歌詞がある音楽を聞いた場合の誤答率が他の条件よりも高かったのです。自分ではしっかり問題を解いているようで、しっかり頭が回っていなかったということです。この研究では、言語の処理と文章読解の処理を同時に行ってしまったことで脳への負担が大きくなったからではと考察されています。
一番タチが悪いのは“作業量は変わらない”というところだと思います。作業量が落ちていれば自分で効率が落ちていることに気が付くことができますが、誤答は自分で気が付くことができません。頭をしっかり使っていない勉強をいつまでも続けてしまうことになります。
頭を使っていない勉強に果たして意味はあるのでしょうか。例えば、「ただの計算問題で解き方がもうわかっていて、あとは手を動かして解くだけ」という状況なら音楽を聴きながらでもできるかもしれません。しかし、そんな問題はそもそもやる意味がありません。成績を上げるためには知らないことを知る必要があるからです。解き方を知っている問題を何度も解くのはあまりにも時間がもったいなさすぎます。
私は断然youtubeの作業用BGMを推します
歌詞つきの音楽はよくないらしい。しかし、無音はかえって気が散ることもあるので何かしら流したい。そんなあなたに私がおススメしたいのはyoutubeにたくさん転がっている作業用BGMです。
もちろん歌詞のないものを選びましょう。一曲一曲選んでいたのでは気が散るので、再生時間が2~3時間あるものを垂れ流しにしましょう。カフェで流れているようなジャズやボサノバをBGMに勉強すれば、あなたはもう一流のビジネスパースン。作業環境にも手を抜かないのがプロというものです。
クラシックでもいいですが、私は断然こちらの方が集中力が上がります。
集中力が切れたら素直に休憩しましょう
しかし、そのうち集中力が切れたあなたは「机に向かわないよりはマシ」と考えてやっぱり米津玄師を流すのでしょう。
そういう場合はいっそのこと休憩にしましょう。休憩時間を決めてその間に存分に聞いてください。大事なのはメリハリです。その間に勉強をしたところで頭に入らないのでしっかり手は止めてください。やった気になる、という状況は一番最悪です。
私は勉強中のBGMを間違えて時間をドブに捨てました。
ここで私の体験談を話します。
数学の成績が最悪だった私はなんとかして克服をしようと、数学にかなりの時間を割いて勉強していました。しかし、模試の数学の点数は一向に上がりませんでした。「こんなに問題集を何周もしているのに・・・。」何故でしょうか。その理由はただ一つ、間違った音楽を聞いて勉強していたからです。ボコボコに膨れ上がった苦手意識をなんとかして抑え込むために好きだった洋楽を聞きながら問題を解いていたのです。
そして、なかなか問題が解けずちょっと考えては「う~んわからん!」とすぐに解答に手を伸ばしていました。勉強として終わっていますね。今思うと問題が解けなかったのは数学が苦手だからではなく、音楽に脳のリソースを割かれていたせいで頭がしっかり回っていなかったのでしょう。おまけに答えを見たところで頭に入ってくるわけもなく、「ふ~ん。」と納得したふりをしつつ、次の問題を解いている間に忘れていました。今思うと頑張っているようでただただ貴重な時間をドブに捨てていたのだと思います。
やった気になるというのは勉強において一番やってはいけない最悪の勉強です。まだ一日さぼって罪悪感を抱いた方がいくぶんもマシというものです。やった量が成績に繋がるとは限らないのです。音楽を聞きながら勉強をすると確かに良い気分で勉強ができるかもしれません。しかし、それは本当に身についているのか?ということもちょっと考えてみましょう。