ギャンブルやドラッグといった中毒の依存と快楽を脳科学の面から解明した一冊。ホルモンといった生化学の話がたんまりと出てくるので、化学が苦手な自分には正直眠たくなるページもあった。が、それを差し引いても内容は興味深かった。何故なら依存症とは脳が快楽を勉強した結果起こるものだからだ。ならば勉強法に何か活かせるものがあるだろう、と手に取った。

「やー、なんかモチベあがらんくて」「古典の単語モチベあがんね〜」「期末までもう一週間だからそろそろモチベ上げないとやばい」


勉強とモチベは切っても切れない関係にあるが、そもそもモチベとは一体何だろうか?やる気?ガッツ?そんな曖昧なふわふわしたものだろうか?モチベを言葉で表すのなら、『未来の報酬への期待』ではないかと思っている。

未来で貰えるはずの報酬を、先回りして受け取った気分になってしまう。Amazonを利用するときに、商品が届いていないにも関わらず注文ボタンを押しただけでワクワクしてくる、あの感覚が近いんじゃないかなと思っている。まだ全然考えを煮詰めれていないけれど。



本の中で興味深い実験が紹介されている。

報酬と脳内の快楽物質に関する実験である。サルに緑の光と赤い光をランダムで見せる。緑の光が表示された場合、2秒後に甘いシロップが出てくる。赤い光の場合、シロップのご褒美は無しだ。

初め、サルは緑の光には反応せず、シロップが出てきたときに脳内のドーパミン・ニューロン(快感回路)が反応する。しかし、実験を繰り返していくうちに、緑の光が表示された段階でドーパミン・ニューロンが反応するようになる。

シロップを報酬と認識し、それが出てきた瞬間にニューロンが反応するのはわかる。だが、緑の光が表示された段階では何の報酬も得ていない。それでも脳内では既にシロップを貰えたときと同じ反応が起こっているのである。

つまり、刺激→報酬の流れがパターン化されてくると刺激の時点で報酬と同じドーパミンを受け取れるようになるということだ。これを勉強に置き換えるなら、勉強しちゃんと結果に繋がっている子は勉強している時点でテストで高得点を取った時と同じ喜びを味わっていることになる。結果の出る出ないに関わらず、勉強するだけで既に元を取っているのだ。これってものすごいことじゃないか。

反対に勉強が苦手な子は勉強しても報酬(高得点)が貰えないので、ニューロンが反応することはなく、勉強している最中もテスト結果をみてもモチベが上がることはない。そりゃ勉強が好きになるわけないよなと思う。お金を払っても商品が届かない通販を利用するようなものだから。



となると確実にモチベを上げるためには、まずはパターンを構築することが大事になってくる。負荷の軽い勉強を行い確実に結果に繋げて、脳にパターンが定着するまで繰り返す。行動→結果のパターンが構築されれば勉強するだけで勝手にモチベが上がるようになる、というのはそんなに飛躍した勉強法ではないはずだ。まぁこれをどう実践するのが一番難しいんだけど。言うは易く行うは難し。

勉強には成功体験が大事だ、なんて今更改めて発見するようなことでもないけれど、こうやってデータで見せられると「たしかになぁ」と思わざるを得ない。